私が中央トラックに関わるようになったのは、小樽倉庫の職員として札幌・東京・大阪・群馬と物流の現場で経験を積んでいた頃。前会長から「荷主と物流現場の橋渡しと効率化を実現してほしい」と声をかけられたことがきっかけです。
もともとは10年以上乗務員として物流会社に勤めていました。当時の物流の現場はアナログの時代、生産年齢人口が過多なのに加え規制緩和以前の物流業では200時間超の残業は当たり前で、酸いも甘いも身をもって経験してきました。
その後小樽倉庫に入社、平成27年に中央トラックに転籍と同時に社長に就任しました。
当時は物流業界全体が大きな変革期を迎えるなかにあり「このままでは立ち行かなくなる」という強い危機感を抱いたことを今でも鮮明に記憶しています。企業として働き方や組織のあり方を見直すタイミングだと強く思いました。
そこで、まずは社員が安心して長く働ける環境づくりから着手しました。
残業時間制限を見越した給与改善や、組合に代わる対話を基盤とした体制づくりなど、今日まで組織の土台を丁寧に整えてきました。そうした“誠実な会社”であることが、何より大切だと私は考えています。
中央トラックは、「物流事業」という言葉で表すには少し特別な構造を持っていて、親会社である小樽倉庫が契約している特定の取引先の輸送業務を主に専属で担っています。
道内一次から三次産業に関わるメーカー様との直接契約により輸送量が安定しており、繁忙期も明確。北海道の冬期においても安定した輸送量を確保できる点が当社の強みです。
私たちが目指すのは、急激な拡大ではなく、時代に合った仕組みと働きがいを両立させる“着実な進化”です。物流業界は今後さらに転換期を迎え、法改正や人手不足といった課題が深刻化していきます。
中央トラックはかつて北海道で初めてウイングシャーシの導入やトレーラー輸送の拡大など、新しい取り組みを手がけてきました。今では当たり前であることも、早々に取り入れてきた歴史があります。
ベテラン乗務員も多く、目立たなくとも誠実に現場を支え続けるプロ意識の高さは、私たちの誇りです。
業界から見本とされるような信頼ある企業へ。
中央トラックはこれからも、地に足をつけて、着実に前進していきます。